金融機関の物件評価「収益還元評価」の計算方法

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こんにちは、ヤマトキです。

 

本日は前回の「積算評価」に続き、もう1つの金融機関の物件評価である
「収益還元評価」の計算方法と事例について紹介します。

 

収益還元評価には大きく2つ存在しています。
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1.直接還元法

家賃収入から管理費等の諸経費を差し引いたキャッシュフローをキャップレート(還元利回り)で割って、収益還元価格を出します。
還元利回りに厳密な計算式はなく、類似物件の取引事例や、地域性などの要因を加味して算出されたり、不動産会社などが公表しているデータを参考に算出する方法が多いようです。
大体の目安を出す場合、HOMESの「見える賃貸経営」でそのエリアの周辺利回りを確認できるので、その数値を参考にすると良いでしょう

 

収益価格=(家賃収入ーキャッシュフロー)÷還元利回り

 

例)
家賃収入:900万
諸経費(管理費、修繕費、固定資産税、保険料等):180万
周辺利回り:8%

 

収益価格=(900万ー180万)÷ 8% = 9000万

 

実際には家賃収入には地域の空室リスクなども加味された
潜在的な家賃収入で計算されることがほとんどです。
これは金融機関により差が出る部分です。

2.DCF還元法

DCFはディスカウントキャッシュフローの略で、保有期間に得られる収益と売却時の物件の予想される売却価格を現在の価値に割り引き、その合計額を不動産価格とする方法です。

 

収益価格 = 毎期の収益の現在価値の合計+将来の売却価格の現在価値

 

例)
収益:900万円
諸経費:180万円
保有期間:3年
割引率:2%
予想売却価格:9000万円

 

1年目の収益=(900万円 – 180万円) ÷(1+0.02)= 705万円
2年目の収益=(900万円 – 180万円) ÷(1+0.02)2乗= 692万円
3年目の収益=(900万円 – 180万円) ÷(1+0.02)3乗= 678万円

 

売却時価格= 9000 ÷(1+0.02)3乗=8480万円

 

収益価格=705万円+692万円+678万円+8480万円=10,555万円

 

以上、2種類の収益還元評価でした。
銀行により評価方法は違いますが、私は物件検討時は
直接還元評価で試算して判断しています。

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