積算評価の土地評価の方法・手順とは

土地評価の方法・手順 物件選定

こんにちは、ヤマトキです。

積算評価のうち、土地の評価について
どのように算出するか解説します。

土地の評価額は以下の計算式で計算します。

土地評価額(円)=路線価(円)×面積(㎡)×掛け目
それではそれぞれの要素をどのように調べて計算するか見ていきます。
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路線価の算出

土地の評価には路線価と言われる相続税評価に使われる評価額を基に計算します。

路線価とは
道路に設定されている評価額のことで
土地の評価はその土地そのものではなく、
その土地が接している道路の価格によって算出されるのです。

路線価を調べる

ではまず路線価を調べる方法ですが国税庁のHP、または地価マップというサイトで調べられます。

財産評価基準書|国税庁
財産評価基準は、相続、遺贈又は贈与により取得した財産に係る相続税及び贈与税の財産を評価する場合に適用します。ただし、法令で別段の定めのあるもの及び別に通達するものについては、それによります。
今回は、私もよく使う地価マップでの路線価調査の方法について解説していきたいと思います。
  1. ここにアクセスしたら、3つのうち中央の「相続税路線価等」を押します
  2. 「全国地価マップご利用にあたって」という同意画面が表示されますので内容を確認して同意します。
  3. 「郵便番号・住所から探す」の検索ボックスから物件の住所を入力します。
    物件の住所がわからない場合は販売図面や物件概要書で確認するか、詳細な場所がわからなければ
    マンション名でGoogleマップで調べると出てきますので事前に確認しておきましょう。
    詳細な番地までわからなくても何丁目かまでわかればGoogleマップの物件の位置と照らし合わせて確認できます。
  4. 物件の位置を特定できたら物件の前の道路に「540C」や「390C」などの数字とアルファベットが書かれています。これが路線価です。

路線価の価格の出し方

では、この数字の意味ですが、
前の数字に千(1,000)をかけた金額が路線価(1平米あたりの価格)です。
例えば「540C」であれば、前の3桁×1000なので、1平米あたり540,000円となります。

後ろのアルファベットの数字が何かと言いますと
その土地が借地だった場合の借地割合です。

アルファベット借地割合
A90%
B80%
C70%
D60%
E50%
F40%
G30%

Aだった場合、
90%が借地割合のため、残りの10%が土地所有者の評価になります。

540Cで借地物件だった場合の路線価は

540,000円×10%=54,000円/1㎡
これがその物件の路線価です。
所有権の場合はこのアルファベットは無視で数字部分のみの考慮で大丈夫です。

角地など2路線に接する場合

角地の場合は、少し複雑なのですが
正面路線価
という価格を使用します。
2つある路線価のうち、正面の路線価を使用するということです。
厳密には土地の評価額は、原則、土地の面している道路の「路線価」に「土地の面積」をかけて、
そこに土地の奥行に応じた「奥行価格補正率」をかけて計算しますが、
2つの道路に面している場合は、どちらかを「正面路線価」、もう一方を「側方路線価」と定義づける必要があり、
それぞれの路線価に奥行価格補正率をかけて、高かった方の路線価を「正面路線価」として考えます。
例:
路線1:路線価54万円 奥行8m(奥行価格補正率0.97)
540,000円×0.97=523,800万円
路線2:路線価39万円 奥行20m(奥行価格補正率1.00)
390,000万円×1.00=390,000万円このケースでは路線1を正面路線価となります。
奥行補正率の出し方は国税庁のHPに載っていますが、
物件の地区区分を事前にわかっておく必要があります。

掛け目

掛け目とは、その土地が同じ路線価や面積だとしても、
土地の形状や道路の接し方で評価額が変わってきます。

形状による評価差異

土地の価格は形が整っていれば評価が高くなります。
評価が高い順は以下の通り

正方形 > 長方形 > 崩れた四角形(台形、平方四辺形など)

また、接する道路が公道で、幅が広いほど評価は高くなります。
逆に私道や幅が狭いほど評価は低くなります。

接道による評価差異

特に都内など土地が少ないエリアによく見られますが
旗竿地(はたざおち)」という一部道路の入り口に接してますが、建物や土地はそこから奥まった位置に
ある物件などは評価が低くなります。

接道がない土地は「異境地(いきょうち)」と呼ばれ
再建築不可のため土地の価値は0とみなされます。

旗竿地と異境地

高低差、斜面などによる評価差異

道路と土地の間に高低差があると坂を作り平にした土地だったり、
土地そのものが斜面だったりすると評価は下がります。

用途地域による評価差異

以下の通り、用途地域によっても評価は変わります。

商業系 > 住居系 > 工業系
商業系は建物を立てられる種類がもっとも多いため価値があがり
その次に住居系が自由度が高く
工業系は制限が多い上に、居住環境を害する工場などの建設されるリスクがあるため評価が低くなります。
この辺りは物件概要書を見た時点で
必ずチェックするようにしましょう!

その他のプラス評価、マイナス評価

ブランド立地

消費者に人気の高いブランド立地はプラス評価となります。

例:自由が丘、原宿、表参道

角地

角地はプラス評価です。
日当たりがよく、出入りがしやすく、建ぺい率や容積率も角地緩和で広くできるためです。
掛け目として1.1くらいで計算します。

区分所有の場合

最後に区分所有の場合の計算方法ですが、
マンション全体から所有割合を調べて全体評価額から按分します。
土地評価額(円)=路線価(円)×面積(㎡)×掛け目 × 所有割合
所有割合は売買契約書に正式な数字は書かれていますが
物件概要書や販売図面などにも書かれています。
以上、一通りの土地評価の方法を説明しました。
物件選定時には積算評価をしっかり確認した上でその物件の価値がどのくらいなのかを
理解した上で購入検討に進みましょう。

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