金融機関の融資評価の1つ”積算評価”の仕組みと算出方法

積算評価の仕組みと算出方法 物件選定

こんにちは、ヤマトキです。

本日は金融機関の不動産の評価の1つ、
積算評価について解説したいと思います。

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積算評価とは

積算評価は物件の担保力ということになりますが、
なぜこの評価指標が必要なのでしょうか。

収益評価はあくまで家賃が払われた場合の収益を元に算出した評価した算出指標ですが、
万一、地震や火事で物件が収益を生まなくなった場合、成り立たなくなってしまいます。

そこで金融機関は
その物件を売ったらどのくらいで売れるか
つまり、最悪の場合物件を売却することで借金分を取り戻せるようにすることで
リスクを回避しているのです。

では、売却価値とはいくらなのか
それは土地と建物の本来の価値に基づいて評価します。

これが”積算評価”なのです。

金融機関はこの”積算評価”か”収益評価”のいずれかで良好な数字が出ない限りは
不動産に対して融資を行ってくれません。

融資が出ないのは個人属性による要因もありますが、
もう1つ、物件評価が出なかったという理由も考えられます。
また将来売却しようとした際にも積算評価が低いことで
想定額では販売できず、どんどん買い叩かれて安値での売却を余儀なくされます。

売却を考えていない、もしくは売却時安くなっても構わないくらい収益が出ている
ということであれば良いかもしれませんが、
一般的には運用収益+売却価格によって最終的な投資成果となりますので
投資家であればできる限り高く売却したいのは当然の心理と言えます。

ですので物件選定の際には
収益評価だけではなく、積算評価もしっかり計算を行った上で
納得がいくようであれば購入に踏み切るという形が良いと思います。

金融機関ごとの積算評価

積算評価は金融機関ごとに異なります。

なぜなら、評価を下す人が金融機関ごとに違いますので、
いざ物件を売却しようとした時に

  • その地域の土地値がどのくらいになるか
  • 物件の劣化はどのくらいになるか

それらの予想は金融機関ごとに変わってくるのは当然です。

土地値の予想自体も世の中の動きや情勢によっても
変わってくるため、
同じ金融機関であっても評価タイミングによって積算評価は常に変動します。

例えば、
不景気に倒産する会社が増えてくると融資審査は慎重になりますし、
2020年の東京オリンピックが決定する前後で東京の土地値が変わってくるため、
そういった情勢やイベントによって変わってくるということです。

積算評価の算出方法

ではどのように積算評価は算出されるのでしょうか

これは金融機関によって変わってくるため
あくまで一般的な金融機関で多く算出される計算方法とお考えください。

1.土地の評価を算出

土地の評価は道路ごとの路線価に面積をかけることで算出できます。

さらに土地の形の良し悪しによって
掛け目が掛けられ、その掛け目によりプラスにもマイナスにも振れていきます

土地=路線価×面積×掛け目

2.建物評価を算出する

建物の評価は構造(RCや木造など)ごとの新築価格に対して
経年劣化分を割り引いて算出できます。

構造が丈夫であればあるほど評価が高く、
面積が広ければ広いほど評価が高く、
築年が浅いほど評価は高くなります。

建物=新築時価格×建物の延床面積×経年劣化

3.土地と建物の評価額を合計し、販売価格を割り戻す

土地と建物の合計額が、
販売価格に対して割合が高ければ高いほど
処分価値が高く、金融機関の評価が高いと言えます。

金融機関によってはこの算出された積算評価に
さらに掛け目を加えて価格を下げることもあります

積算評価=土地+建物
担保保全率=担保評価 / 販売価格×100
一般的にこの担保保全率が高ければ高いほど割安な買い物と言えますが、
エリアによってこの率は変わってくるため、
同じエリアで比較し続けることで割安感を把握できるようになります。

注意すべき物件

たまに売りに出た物件が
積算評価の土地値分と同等の価格で販売されているケースがあります。

一見お買い得に見えますが、
注意すべきは

そういった物件は建物が古いケースが多く、多額の修繕費がかかることがあります。

逆に売主としては修繕コストがかかるから土地値で販売しているということもよくあります。

もしそのような物件でも
少ない修繕コストによって収益を大きく出すことができれば
投資成功に繋がるため、しっかりとした見極めが重要になります。

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